魅力放つデザイン 粘着製品の付加価値向上

㈱リアルファクトリー(東京都品川区西五反田、木原宏社長、☎03・5496・9005)が展開しているステッカーショップ「MIJ FACTORY HARAJUKU」が好評を博している。同店は60人超のクリエーターとコラボレーションしたオリジナルステッカーを販売し、ラインアップは随時拡充。ファンによる口コミが反響を呼び、2、3号店オープン、海外進出など規模を拡大している。「クリエーターとファンが第一」と掲げる同店を取材した。

「MIJ FACTORYHARAJUKU」は、原宿の竹下通りに店舗を構えるステッカーショップ。店内には壁一面にステッカーが並び、単価は1枚300円(税別)、箔加工を施したものなど高付加価値商品は500円(税別)となっている。
ステッカーにはUVラミネートと防水処理も施されており、貼付対象はタンブラーやスーツケース、PC、スマートフォンケース、自転車、ヘルメットなどさまざま。また、缶バッジやTシャツ、キーホルダーのほか、お守りの中にQRコードを印刷した紙が入っており、スマートフォンなどの端末で読み取るとユニークな動画が流れるという商品も扱っている。

2年前のオープン以来、観光客、訪日外国人らから注目を浴び、ラインアップを徐々に拡充。ハロウィーンやクリスマスといったイベント、季節ごとの限定デザインも展開し、扱っている商品は缶バッジなども含めて計3000種で、ステッカーはそのうち2700種ほどを占める。商品の一部は、キャラクターグッズや雑貨を扱う原宿の小売店にも卸しており、その店舗では1カ月で2000枚ほどが売れているという。特に支持を集めているのは、クリエーターとコラボレーションしたMIJブランドオリジナルのステッカーシリーズだ。

クリエーターとコラボ 作品発信の場に
現在、60人超のクリエーターと協業し、それぞれの作品をステッカーや缶バッジとして販売。クリエーターの既存ファンはもちろん、都心の一等地という立地を生かし、新規ファンに向けたPRの場としても同店は機能している。

木原社長は「MIJはクリエーターの作品を発信する拠点という役割を担っています。ステッカーとそれを販売する店舗を用意しますので、クリエーターには、自由にデザインしたものをファンへ届けてもらう場として活用してもらいたいですね」と方針を話す。
クリエーターのファンをはじめ、同店では観光客らが複数枚を購入するケースが多く、特に来客のおよそ半数を占める訪日外国人は、数十枚をまとめ買いすることもあるという。目を引くデザインに加えて、購入しやすい価格帯、かさばらずに持ち帰られることから土産用として高い人気を誇っている。

5月には香港にも期間限定で出店し、好評につき販売期間を延長するなど、海外でも反響を得ている。木原社長は「日本のクリエーターの作品は海外でも注目されており、現地の物価と比べると高価格帯のTシャツも人気でした」と振り返り、デザインのソフトパワーを生かし、海外展開への活路を見いだした。同社は、アジアを中心にさらなる進出も視野に入れているという。

国内でも多展開 2、3号店オープン
同店ではそのほか、サンリオなどのキャラクターステッカーも販売している。
「アパレル業を営む当社はライセンス関係の製品展開にあたっても、権利関係の手続きなどでノウハウがあり、ステッカーにも応用できました」(木原社長)とし、店内の一角には人気のキャラクターが並ぶ。
こうしたキャラクターステッカーと、クリエーターのオリジナルデザインを併せて展開。クリエーターのファン同士の交流、SNSなどの投稿で反響が広まっている。MIJではオンラインショップもオープンしているが「やはり来店していただき、実物に触れてもらいたい。マスメディアで大々的に宣伝を打つのではなく、ステッカーを通じた口コミによって着実にファンを増やし、多くの方々にクリエーターの作品を見てもらえれば」(木原社長)と実店舗における展開を重視する。

同社は好評を追い風に、都心を中心としたポップアップショップをはじめ、9月には新宿の2号店、上野の3号店を相次いで開店するなど攻勢をかける。
今後の展望について、木原社長は「クリエーターとファンを一番大切にして、両者をつなげられる場を提供していくことが当社の役割だと考えています。継続してコラボレーションの輪を広げていき、クリエーターと一緒にMIJを成長させていければいいですね」と話す。
8月には協業しているクリエーターを招いた感謝会を催すなど、交流を促し創作に資する支援も行っている同社。MIJブランドのさらなる訴求を目指し、店舗数の拡大に取り組む。