季刊シール&ラベル No.38 新年号 Winter 2016

ゼンマイ刃固定具がさらに進化

ゼンマイ刃の固定を両面テープではなく、磁石で固定する仕組みを考案し、 「エコマグ」の商品名で展開しているフナミズ刃型製版(埼玉県朝霞市)は、 さらに“進化”させた箔押し用のエコマグを開発、特許も取得するなどで注目されている。

印刷機にゼンマイ刃をセットする際、両面テープを使用するのが一般的。 しかし、貼付けた際に入るシワやゴミ、テープのクッション性などが抜きムラの原因に。そこで、強力なネオジウム磁石を使って、刃型を固定するエコマグを考案。これにより抜きムラはもちろん、鉄ベラで刃型を剥がす際に機械や刃型を傷めてしまうという問題はなくなる。

同社ではさらに箔押し用のエコマグを開発。これには、熱に強いサマリウムコバルト磁石を採用。しかし、耐久性がないので、それをカバーするために補強をし、滑り止め用のシリコン素材の両面テープ を使うなど試行錯誤して、耐熱性と耐久性をクリアした箔押し用の「エコマグゴールド」が完成した。

エコマグゴールドは、ゼンマイ刃用のエコマグが50N(ニュートン)で動き出したのに対し、90Nまで耐えた。これは垂直方向に9kg程度の力に相当するもので、エコマグの1.8倍の垂直抗力だ。

同社ではこのほか、ベニヤ貫通刃用やフレキシブルダイ平抜用も商品化するなどして、エコマグは用途もさらに拡大し、進化を続けている。