樹脂版を長持ちさせるには

以前使用していた樹脂版を使おうとした時、版が逆に反ってしまったり網点が取れてしまったりして使えなくなってしまった経験はありませんか?
今回は、版の保管=置き版についてのご案内です。

置き版の方法

版を保管する際は、

①印刷後の刷版のインキ・洗い油を十分にふき取る。
②ポリ袋(できればチャック付きで密封性の高いもの)に入れて暗所に保管。

というのが一般的です。
ここにプラス、保管する「環境」を加えることで版の寿命を延ばすことが期待できます!

環境① 温度

版を保管するのに適している温度は25℃以下が適しているといわれています。暑すぎるのはもちろんNGです。

環境② 湿度

これからの季節、だんだんと低下してくる湿度ですが、版を保管するうえでは50~70%が推奨されています。
水現像の樹脂凸版は湿度が高すぎると版が吸湿し柔らかくなってしまいます。逆に湿度が低すぎると、刷版内の水分の揮発が早まり版が乾燥・硬化してしまいます。
推奨湿度に保っていたら版が劣化しない!という訳ではありませんが劣化を遅滞させることはできるはずです。
特に湿度で気を付けて頂きたいのは、これが「ポリ袋の中の湿度」だということです。
梅雨時に除湿器をかけたり、冬場に加湿器を掛けて室内の湿度を50~70%に維持できたとしても、版を密封した時の湿度がそれでなければ版の劣化に繋がってしまいます。
密封する際の室内の環境が置き版の効果に影響を与えますので、ご注意くださいませ。
※版が硬く、逆反りが大きい場合は20~30℃の水に2,3分浸し、その後5分程度乾燥させて版を柔らかくしてから印刷機にセットしてください。

逆反りが気になるときは・・・

置き版以外でも、シリンダーに樹脂版を巻くときに版が浮き上がって来てしまうということもありますよね。
そういった時は版の裏面に油性ペンで線を引いておくと版の浮き上がりを軽減できます!
これはフレキソ印刷ではよく使用されている手法のようなのですが、油性ペンの成分が両面テープの表面を溶かすことにより版とテープの粘着力を上げ、版浮きを起こしにくくしているようです。お困りの際は一度試してみてください!

できれば新版のご使用を・・・

高湿・低湿を避け、暗所にて保管で版の寿命は延びることが期待できますが、それでも劣化はしてしまいます。
時間等に余裕がある場合は版を作り直していただくことが一番かと思います。
当社では再版時、リピート価格にて対応しております。
作成したデータは10年間は社内で保管しておりますので、前回の作成年月を教えて頂ければ最短当日出荷にて承ります。