
未来に繋げたい仲間と技術 (株)フナミズ刃型製版 関口隆弘さん
2007年にフレキシブルダイの製造担当として入社し、17年からはゼンマイ刃を製造する部門のリーダーを務めています。
主な仕事は、業務管理をはじめ部下の指導と育成、人事評価です。
刃型製作も行っており、繁忙期などで人手不足時にはプレーヤーとしての割合が高くなります。
一日の仕事を私が割り振るのではなく、当社ではそれぞれが自由に選んで製作する方式を採用し自主性を重んじています。
一方で製作数は常にカウントし、月ごとに公開しているので、手は抜けません。
とはいえ数字だけで成績の絶対評価はせず、本人の挑戦意欲や成長度合いも見ています。
ゼンマイ刃はコツコツ叩いて曲げる、アナログな手法で製造しています。
当社製品のクオリティーを出すには、機械ではなく〝人の手による熟練した技術〟が必要です。
時には、私から担当を指名して挑戦してもらいたい仕事を任すことも。
こうして日々人材育成や技術向上を図っているのですが、育成してきた部下がよい仕事をして社長やお客さまに褒められる姿を見ると、やりがいを感じます。
私のコアコンピタンスは「柔軟な考え方」でしょうか。
受注した依頼に〝できません〟とか〝無理です〟などとすぐに口にせず〝どうやったらできるか〟を真っ先に考えます。
またお客さまに〝何が1番ベストなのか〟を親身になって考え、経験則から予測して時には「この部分はもっとこうした方がうまく抜けるのでは」とお伝えすることもあります。
時には踏み込んでまで親身に考えてこそ、お客さまの満足度と信頼性が得られるもの。
これが他社に負けない価値を生むのだと思います。
今、試していることがあります。
当社のゼンマイ刃は一日座って前傾姿勢で作業するので、腰や首を痛めてしまうことも。
そこで立ってやってみたところ、今度は足腰が痛くなりました(笑)。
これは一例ですが、当たり前だったことを少しずつ変えてみて、社員が末永く働けるような環境を作りたいと思い行動しています。
同業者の中には、後継者や職人がおらず廃業する姿を目にします。
私はこのゼンマイ刃を製造する職人の技術を後世に残していきたいと考えます。
従業員が定年を迎える日まで勤めあげることのできる会社、健康で楽しく働き続けられる職場をこれから仲間とともに作っていきたいです。