先月のブログでは、新製品「2段エッチング亜鉛版」をご紹介しました。
今回は、フナミズ刃型製版の亜鉛版がどのような用途で活用されているのか、実際の事例を交えながらご紹介いたします。
弊社の亜鉛版について詳しくは、こちらのページもご覧ください。

亜鉛版の特徴と使用用途
フナミズ刃型製版の亜鉛版は、厚みが以下の3種類あります。
1mm:主にシール印刷機の印刷用。活版印刷機でも使用。
1.5mm/3mm:主に箔押し、エンボス加工用。
1.5mm厚や3mm厚は深度があるため、
・箔押しでは底付きしにくい
・エンボスではメリハリが出やすい
また箔版として使った場合、体積が大きいため熱を保持しやすいといったメリットがあります。

シール印刷では、以前は主流だった平圧機に代わり、現在は間欠輪転やデジタル印刷機が主流となり、亜鉛版の使用は減ってきました。
しかし弊社へのご依頼では、依然としてシール印刷用の1mm厚の亜鉛版が圧倒的多数を占めています。
この1mm厚の亜鉛版は、既存の亜鉛板から感光膜を剥がし、電子基板用の薄い感光フィルムを貼り直して作製。
これにより、より微細な表現が可能になり、印刷用途でも高い品質を維持しています。
また、シール印刷以外の用途としては、皮革製品や不織布への箔押し、エンボス加工でも活用されています。
さらに、印刷用途としては活版印刷でのご利用も増えています。
活版印刷での当社製版の活用



シーリングスタンプ用の亜鉛版

最近の事例として、シーリングスタンプに亜鉛版をご利用いただきました。
お客様のご厚意で、弊社製版担当者のイニシャル入りスタンプまで作成していただきました。

一般的にシーリングスタンプのヘッド素材は銅や真鍮が多いのですが、今回は1.5mm厚の亜鉛版を使用。
・版を円形にレーザーカット ・角をテーパー加工
・円柱形状のハンドルに貼り付け
といった加工を施し、溶かしたワックスに型押しすることで、美しいスタンプが完成しました。

このシーリングスタンプを製作いただいたのは、カリグラフィー講師の丹澤和子様です。
丹澤和子様
https://nakanojo-biennale.com/artist/kazuko-tanzawa
まとめ
今回はフナミズ刃型製版の亜鉛版の特徴と使用用途をご紹介しました。
当初はシール印刷向けにスタートした亜鉛版事業ですが、依然としてシール印刷での用途が中心でありつつ、現在では活版印刷やシーリングスタンプなど、多様な分野へと広がり、新しい需要も生まれています。
お客様のより良い印刷ライフの一助となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

木原 優/Yu Kihara
フナミズ刃型製版の営業担当
本ブログは「シール印刷にまつわるお役立ち記事」をテーマに運営