
最近、お問い合わせが増えている「UV転写シール(UV-DTF)」。
UV-DTFプリントとは、専用フィルムに印刷したデザインを対象物へ転写する印刷手法です。
フィルムを剥がすことで、フチのない自然な仕上がりになるのが特長です。
UV転写シール(UV-DTF)の紹介や貼り方動画については、こちらのページをご覧ください。
曲面や完成品への加飾、小ロット製作にも対応できるため、さまざまな用途で活用されています。
一方で、
* どんな素材に貼れるのか?
* どこまで細かいデザインを再現できるのか?
* 屋外使用での耐候性や、摩擦への耐久性はどの程度なのか?
といった点が気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、弊社で実際にサンプル製作や各種テストを行い、UV転写シール(UV-DTF)の再現性や耐久性について検証してみました。
素材との相性
どんなものに貼れて、貼れないのか?
基本的には、シールやステッカーが貼れる素材・形状であれば施工可能です。
特に、貼り付け面がツルっとした平滑性のある素材とは相性が良好です。
●貼れる材質
* ガラス
* 金属
* プラスチック
* 革
* 陶器 など
●貼れない材質
* 紙(材質によっては問題なく貼れる場合もあります)
* 布
* 木材(表面が塗装されているなど、平滑性があれば貼れる場合もあります)
紙の場合は、アプリケーションフィルムの粘着が紙表面に強く付着してしまい、素材を傷めたり、フィルムをきれいに剥がせない場合があります。
また、布の場合は糊の定着が弱く、うまく転写できません。

●貼れる形状
* 平面
* 円筒形のような緩やかな曲面
●貼れない形状
球体のような3D曲面は、施工時にシワが発生しやすいため、きれいに貼ることが難しくなります。
ただし、極小サイズのデザインであったり、曲面のカーブが緩やかな場合は、問題なく貼れるケースもあります。

検証① 極小文字の再現性
カッティングシートの場合、「文字高何mmまで」「何ptまで」「線幅何mmまで」といった限界があります。
ただし実際には、文字の画数やフォントの種類によっても変わるため、一概には言えません。
弊社では、ゴシック体であれば文字高15mm程度、明朝体では文字高20mm程度であれば、安定したカット・施工が可能です。
※書体や画数によって、実際の限界値は前後します。
文字高20mmのゴシック体

文字高15mmの明朝体

では、UV転写シール(UV-DTF)では、どこまで小さな文字を再現できるのでしょうか?
そこで実際に、文字高1mm・2mm・3mm・4mm・5mmの5パターンを試作し、クリアファイルへ貼り付けて検証してみました。

印刷自体は、すべてのパターンで可能でした。
ゴシック体では、カタカナは文字高1mmでも視認可能で、漢字は2mm程度から判読できました。
一方、明朝体では、カタカナ・漢字ともに1mmでも判読可能でした。
ゴシック体 上段が文字高2mm、下段が文字高1mm

明朝体 上段が文字高2mm、下段が文字高1mm

実際にクリアファイルへ転写してみると、ゴシック体は文字高1mm〜5mmまで比較的きれいに転写することができました。

一方、明朝体は線が細いため、うまく転写できない箇所や、ズレが発生するケースが見られました。
※転写できていない箇所やズレが発生している箇所を、赤線で囲っています。

写真では、一番上の文字高5mmは問題ないように見えますが、丁寧に作業を行わないと転写が難しい結果となりました。
このことから、細かすぎるデザインは「印刷できるか」だけでなく、「きれいに転写できるか」も重要であることが分かります。
今回のクリアファイルへの検証では、
* ゴシック体:文字高1mm程度〜
* 明朝体:文字高5mm程度〜
であれば、転写可能という結果になりました。
※細いデザインや小さい文字ほど、摩擦によって剥がれやすくなる傾向があります。
検証② 耐久性・耐候性
摩擦や洗浄への耐久性を確認するため、実際に私物のプラスチック製水筒へUV転写シール(UV-DTF)を貼り付け、以下のテストを行いました。
* アルコールスプレー噴射後、不織布で擦る
* 水洗い
* 食器用洗剤をつけたスポンジでの洗浄

それぞれのテスト後の状態を確認したところ、目立った剥がれや印刷の劣化は見られませんでした。
ただし、不織布で擦った場合は、デザインの縁部分に繊維が絡まりやすい傾向が見られました。
屋外耐候性の検証について

弊社の郵便受けへ設置し、経過を確認してみました。
設置環境としては、午後の一定時間のみ日光が当たり、雨には直接濡れない半屋外環境となります。
6ヶ月経過時点では、
* 大きな剥がれ
* 著しい褪色
は見られませんでした。
左側が郵便受けへ貼り付けて6ヶ月経過したもの、右側が比較用としてクリアファイルへ貼り付けた新品の状態です。

最後に
今回の検証では、UV転写シール(UV-DTF)の
* 細かなデザイン表現
* 転写時の再現性
* 耐久性・耐候性
についてご紹介しました。
UV転写シール(UV-DTF)は、
* 完成品へ後から加飾したい
* 小ロットでオリジナル製品を作りたい
* 細かなデザイン表現をしたい
といった用途と非常に相性の良い印刷方式です。
「こんなものにも貼れる?」「このサイズでも再現できる?」など、気になる点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
本記事が、UV転写シール(UV-DTF)をご検討中の方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

木原 優/Yu Kihara
フナミズ刃型製版の営業担当
本ブログは「シール印刷にまつわるお役立ち記事」をテーマに運営