包装タイムス 2023年4月24日号

板橋工場でビク型製作 オフセット印刷シールの半抜きメイン

刃型作製から製版作製、さらにはオンテマンドシール印刷によるサンプルラベル作製まで自社内で行うフナミズ刃型製版(埼玉県朝霞市、☎︎048-465-2140)の顧客数は、全国500社以上にも及ぶ。
新しい事業や新製品開発に日々挑戦し続ける同社。
それをまた経営理念に掲げ、その舵取り役である木原一裕社長に近況を伺った。

会社の売上構成比率は。

創業時から手掛けるゼンマイ刃が3割、製版・版下作成が5割強、残りがフレキシブルやビク型(トムソン型)、オンデマンドシール印刷など。

ビク型製作を始める経緯は。

2年前の2021年10月に、都内板橋区の田中工芸社の事業を継承し、当社の板橋工場として引き継ぎ、正式にビク型制作を始めることになった。

実は当社と田中工芸社と共通のお客さまがいて、そのお客さまではシール印刷(凸版方式)は当社のゼンマイ刃をご利用いただき、オフセット印刷によるシールのハーフカット(半抜き)は田中工芸社のビク型を使われていた。
ところがその田中工芸社が廃業を考えているということから、その後について色々と話し合った。

その結果、当社がビク型の事業を引き継ぐことで、その共通のお客様も喜ばれ、また田中工芸社の従業員の雇用を守ることにもなるとして、3社それぞれが納得するのものとなった。

ビク型製作を手掛けるということで、紙器紙工関係まで事業を広げていく考えは。

考えてはいない。
紙器紙工のビク型は全抜きで、シール用のビク型はハーフカットがメイン。
実はこのハーフカットのビク型には高い精度と熟練の技が求められる。
オフセットのシールのハーフカットは、雑誌の付録やキャラクターのシールなどに多く、しかも定期的にある。

事業継承によるシナジー効果はあった。

ええ、それまでビク型の仕事は受けても外注にお願いしていた。
これが内製化ができるようになったことで、ゼンマイ刃の仕事で依頼してきていたお客さまから、新たにビク型での仕事依頼も増え、また新規のお客さまからビク型の依頼がくるようになった。