ゼンマイ刃を使い続けていると、つなぎ目の部分が次第に開いてしまうことはありませんか?
基本的には、つなぎ目に溶接を施すことでこの現象は防ぐことができます。
ただし、使用条件によっては溶接をしていても、つなぎ目が開いてしまう場合があります。
例えば、小さい刃型に跳ね出し用スポンジを全面に貼った場合、抜く際の圧力でスポンジが潰れ、刃を押し広げてしまうことがあります。
また、抜いたシールや材料が刃型の中に詰まってしまうと、刃が内側から押され、つなぎ目が開く原因になることがあります。
そこで今回は、ゼンマイ刃のつなぎ目を溶接するメリットと、開きを防ぐための工夫についてご紹介します。
溶接するメリットについて
そもそも、なぜつなぎ目が開いたり動いたりしてはいけないのでしょうか。
打ち抜いた製品のつなぎ目部分に段差ができてしまうと、形が歪になってしまいます。
また、つなぎ目が開くことで、製品の縁に、紙であれば毛羽立ちのようなもの、フィルムであればバリのようなものが発生してしまいます。

さらに、ハーフカットの加工をする際にも影響があります。
カス上げ時につなぎ目が開いていると、カスと一緒に製品も持ち上がってしまう現象(とも上がり)が起こる可能性があります。
ちなみに弊社では、つなぎ目の位置にも工夫をしています。
材料の流れ方向を確認し、できるだけカス上げ時にとも上がりが発生しにくい位置につなぎ目を設けています。

なお、お客様からご指示があれば、ご希望の箇所につなぎ目を設けることも可能です。
フナミズのゼンマイ刃、つなぎ目の溶接について
弊社では基本的に、どのような図形(角、角R、丸、楕円、変形)であっても、つなぎ目は溶接しています。
※インデックスラベルのように、刃を折り曲げず側面を削って沿わせる場合は溶接していません。
直線部分のつなぎ目には「アルゴン溶接」を使用しています。
アルゴン溶接は、アルゴンガスで溶接部分を保護しながら金属同士を直接接合する方法です。

丸・楕円や、直線部分につなぎ目を設けられない変形形状などには、「リボン溶接」を使用しています。
リボン溶接は、溶接箇所を薄いニッケルと一緒に溶接することで強度を高める方法です。
リボン状のニッケルを使用していることから、弊社では「リボン溶接」と呼んでいます。

つなぎ目を溶接していても、決して開かないわけではない
たとえつなぎ目を溶接していても(もちろん溶接してある方が丈夫ですが)、
刃型の中に材料が詰まって押し広げられたり、特に小さい刃型の場合、抜く際の圧力でスポンジが潰れて刃を押し広げたりすると、つなぎ目が動いたり開いてしまうことがあります。
そのような場合は、全面にスポンジを貼りながらも、穴を設けることで刃型への圧力を逃がす「あなあき〜」の使用がおすすめです。
抜く際にスポンジが潰れても、刃の側面に過度な圧力がかかりにくくなり、刃とスポンジの間に糊も溜まりにくくなります。
実際に、「糊が溜まりにくくなった」「材料を持ち上げにくくなった」といったお声もいただいております。
あなあき〜について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

最後に
今回はゼンマイ刃のつなぎ目について、溶接する理由と、溶接していても開いてしまう事例についてご紹介しました。
次回は、弊社のゼンマイ刃の刃高精度や抜きムラの少なさについてご紹介したいと思います。
お客様のより良い印刷ライフの一助となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

木原 優/Yu Kihara
フナミズ刃型製版の営業担当
本ブログは「シール印刷にまつわるお役立ち記事」をテーマに運営