
掲載紙:印刷新報/2026年(令和8年)10月1日(木曜日)/3面
フナミズ刃型製版
3工場を統合し体制刷新
UV転写シール、2段エッチングなど出展
フナミズ刃型製版(木原一裕社長、本社・埼玉県朝霞市)は、高品質な刃型(ゼンマイ刃・フレキシブルダイ・ビク型)、印刷時の再現性を高める製版(樹脂凸版・亜鉛凸版・フレキソ版)、版下・デザイン作成、オンデマンドシール印刷を通し、シール印刷会社などへ幅広い製品・サービスを提供している。
同社は今年8月に朝霞・板橋・舟渡に分散していた3工場を統合し、旧朝霞工場から徒歩5分ほどの場所で新工場の稼働を始めた。すべての部門が集約され、業務効率が大きく向上した。1階は刃型を中心としたフロア、2階にDTP、製版、各種プリンター等の設備を揃えている。
従来の3工場を合わせたスペースの約2倍の広さを確保できたことで、働きやすさ、今後の設備導入、事業拡張のうえで余裕が生まれた。
また、これまで毎月のリーダーミーティングはZoomを利用して行っていたが、全員が顔を合わせ、情報を共有しやすくなった。
移転を機に、会社のロゴも新しくした。木原社長は常々、「仕事は楽しくやろう。楽しめばいろいろなアイデアが湧き、結果としてお客様にも喜んでいただける」と社員たちに語っているが、フナミズのローマ字の「FUN」の部分を強調し、「U」に微笑む口元をデザインした新ロゴはその理念を明確に表す。
業務改善についても、社内で常に案を募っている。木原社長は「社員からは積極的に提案があり、実際に効率化につながっている。改善方法と見込める効果を示してもらい、リーダーミーティングで評価しながら随時採用している」と話す。属人化しないため、作業や工程の標準化、仕組み化にも取り組む。
多様なオリジナル商材を提案
同社はラベルフォーラムジャパン2026に出展する(ブースC-20)。今回、メインの展示となるのが、「UV転写シール(UV-DTF)」「2段エッチング亜鉛版」といった新技術だ。
UV転写シールは、インクジェットプリンターで専用の転写フィルムにUV硬化型インクでデザインを印刷し、シールのようにさまざまな素材へ転写できる最新の印刷方式。印刷面を保護するトップコートを重ね、対象物にフィルムを貼り付けて圧着、透明フィルムを剥がすことでデザイン部分だけを転写できる。一般的なシールのように透明な縁が残らず、金属・ガラス・プラスチック・革などに直接印刷したような高級感と一体感ある自然な仕上がりをもたらすことが特長だ。小ロットで製作可能なUV-DTFプリンターを2025年に導入した。
2段エッチングは、通常の亜鉛版では腐食を1回のみ行うが、1枚の亜鉛版に「浅い彫り」と「深い彫り」の2段階の異なる深度の腐食を施す特殊加工技術。箔押しと同時に細かなエンボス加工が可能となり、立体感や高級感のある表現を演出できるため、お酒のラベルや贈答品などと相性がいい。同社では、デザイナーとコラボレーションしながら、需要開拓の取り組みを始めた。
また、従来必要だった箔押し用・エンボス用の2版を1枚に集約でき、作業工程やコストの削減にもつながる。
同社では、ダイレクトイメージャーを導入したことで、亜鉛版やフレキシブルダイのフィルムレス化が可能になったが、その設備を活用して2段エッチング亜鉛版にも挑戦し、実用化に至った。
そのほか、これまで高い評価を得てきた自社オリジナルの非粘着コーティング「CSコート」に、さらに強い非粘着性能を持たせたコーティング技術についても紹介する予定だ。