フレキソ版を使用した印刷

和紙や上質紙、サテン等に印刷する際にご好評を頂いている「フレキソ版」。
以前にも特徴についてご案内させて頂きましたが、今回は実務的な部分も含めて改めてご紹介させて頂きます!

印刷物

今回ご紹介させて頂くのは、新潟県長岡市にある株式会社野村企画様が作製したオリジナルラベルです。
当ラベルは野村企画様の創立40周年と同社社長の古希を記念して作成されたもので、その技術の高さから、2021年ラベルコンテストにて「一般社団法人日本印刷産業連合会会長賞」を表彰されました!

一般的なシール・ラベル印刷用の樹脂凸版を使用すると、どうしてもかすれる部分が出てしまうクレープ紙への印刷ですが、クレープ紙の特性である表面の凹凸を潰すことなくベタをキレイに印刷出来ています。
そして、白抜き部分の細かい文字もしっかりと再現できています。

しっかりとベタを印刷する為に・・・

今回は、実際に印刷・加工を行った野村企画様にお話しを伺い、和紙へのきれいな印刷の方法を伺ってきました。
その方法をお伝えできる範囲でご紹介させて頂きます!

1.圧胴の硬さ
以前、「フレキソ版を使った印刷」の記事の中でも硬めの圧胴を使用した方がインクが乗りやすいというご紹介をさせて頂きました。
ただ、和紙といっても表面の凹凸具合は様々あります。野村企画様では硬さの異なる複数の圧胴を特注で作製し、材料の特徴やデザイン(ベタや網点の割合等)で使い分け、きれいな印刷を実現しているとのことです。

2.二度刷り
今回使用した版はCTPフレキソ版2種(スミ版)と、箔押し用の亜鉛版2種類です。

スミ版×2版
箔版1
箔版2

このデザインはベタ面積が多く、且つその中に細かな白抜き文字があります。ベタをしっかり印刷するためには印圧をしっかりとかけたいところですが、
①クレープ紙の凹凸が潰れ、クレープ紙の風合いがなくなってしまう。
②べタが潰れ、白抜き文字が埋まってしまう。
という2つの課題と直面します。

2つの課題解決のため、墨の二度刷りを行いました。二度刷りをすることで、かすれ易いクレープ紙へ印圧を掛けずに綺麗にベタ印刷をでき、クレープ紙の凹凸も白抜き文字も潰れずきれいな印刷が可能となります。
しかし二度刷りを行うことで、
③印刷時の微妙な見当ズレにより白抜き文字が埋まってしまう。
という新たな問題が発生してしまいます。

この課題を解決するために同じ版を2版作るのではなく、ひとつはデータ通り、もうひとつは白抜き部分を少し太らせて製版して問題を解決しました。

二度刷りによる課題解決方法

1版目:白抜き部分を太らせてた版で印刷します。
(実際は0.17mm程度、太らせております。)
1版だけではベタの面積が多いと、かすれが出てしまいます。

2版目:データ通りの版で印刷します。1版目で白抜き部分を太らせているので、多少の見当ズレが起きても白抜き文字が埋まってしまうことが防げます。

完成イメージ(2版目はグレー表示)。二度刷りすることでベタをしっかりと印刷することと、白抜き文字をはっきりと表現させることが可能になります。

3.積み重ねた経験と技術
和紙や上質紙への印刷において、高度な技術を持つ野村企画様。以前はクレープ紙など凸では難しいものはオフセットの外注先にお願いしていたとのことです。しかし、0.95mm厚のフレキソ版が誕生した2年程前から、技術と再現性向上の為に印刷テストを多々繰り返してきました。
材料やデザインに合った圧胴の硬さを見つけ出したり、二度刷りや網点は別版にするといった方法を考え出す中で、オフセット印刷に劣らない表現を社内の凸版印刷機で出来るようになったとのことです。このように、積み重ねた試行錯誤・経験から生まれる技術と道具の組み合わせが掛け合わさることで再現性の高い印刷物を生み出すことが
可能となります。

しかしながら、どうしても社内だけでは思うような印刷が出来ない場合も出てきます。そんな時は、当社製版オペレーターが積み重ねた経験を基にしっかりとしたお打ち合わせの上、適切な版材の紹介やデータの加工・調整をさせていただきます。

フレキソ版を使用する上で・・・

和紙や上質紙、サテンなどへの印刷に効果を発揮するフレキソ版ですが、耐久性の面では未だ課題があります。
通常使用していても、~20,000ショット印刷できれば良い方という声もありますし、リピートで使用とすると版がダメになっていて作り直さなければいけないということも少なくありません。
中には、本機校正でフレキソ版を使用し、本番で同じ版を使おうとしたらダメになっていたというケースもありますのでご注意ください。
印刷適性は多少落ちますが、耐久性が高いフレキソ版も用意もあります。
上質紙やセパ裏面への印刷にはこちらもおすすめです。
詳しくは「フレキソ版」のページ

当ラベルで使用した抜型(ゼンマイ刃)のご紹介

印刷とは離れてしまうのですが、今回のラベル作製には当社のゼンマイ刃をご使用いただきました。

ご入稿いただいたデータに対して、非常に再現性の高い変型の曲げ加工を行えております!
こういった変型の刃型も高い再現性、かつ極力ムラ取りが必要無いように心がけて作製しておりますので、お困りの際は是非ご用命くださいませ!

野村企画様ご紹介

今回の記事にご協力いただいた、新潟県長岡市にある株式会社野村企画様のご紹介です。
和紙、クレープ紙、サテン等のラベル作成の際は是非ご相談ください。

株式会社野村企画様
〒940-0016 新潟県長岡市宝4丁目2-10
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