ラベル新聞 3月1日号

フナミズ刃型製版 非粘着コーティングのゼンマイ刃を開発 10社のユーザーが検証

(株)フナミズ刃型製版(埼玉県朝霞市栄町、木原一裕社長)はこのほど、のりの付着を防ぐゼンマイ刃「CSコート刃」を開発した。

同刃は、フナミズ刃型製版が独自に特殊なシリコーンコーティングを施したもの。
抜き加工時に刃がのりを持ち上げにくく、抜き加工後ののりのはみだしの軽減が期待できるという。

木原社長は「刃型にまつわるのりのトラブルは、抜き加工時に避けては通れないこと。
当社は従来品のコーティング刃も販売してきたが、のりのトラブルの解決を求めるユーザーの声に応えるため、自社でより非粘着効果の高いシリコーンコーティング加工を行った」と開発の経緯を述べる。

同社は昨年、CSコート刃の持つ非粘着効果の実証を目的にモニター調査を実施。
全国のラベル印刷会社10社による協力のもと、PETや合成紙の強粘タイプなどで検証を行った。

ユーザーからは〝メンテナンス不要で10万通しできた。
通常はスポンジを使わないと紙が煽られるが、CSコート刃ではのりもたまらない〟との声も。
中には〝違いが分かりづらい〟といった声もあったが、概ね高評価を得ているという。
また剥離紙にアイマーク印刷を施す事例では、巻き取った際にはみ出したのりがアイマークに接触し黒い異物として基材上に残り、検査装置でNG検出していたところ、CSコート刃を使用することで症状が改善され、検査工程もスムーズになったという。

またCSコート刃は、刃に付着したのりの除去が容易な点も特徴。
のりを除去するために溶剤を使っていたが、指の腹で払うだけでものりを取りのぞけることが実証された。

木原社長は「のりの種類によって非粘着コーティングの効果に差があると思われる」と見解を示し「砥石用やタイヤ用、冷食用などさまざまなのりや基材で試してもらいたい」と話す。

なお同社は非粘着コーティングが取れてしまう可能性があるため、CSコート刃のメンテナンスに溶剤の使用を推奨していない。
問い合わせは同社(☎048・465・2140)まで。