シール印刷の「リッチブラック」について!

上のデザインのように、カラー印刷で墨ベタの範囲が大きい場合、墨ベタが掠れないようにインキを出すとつられて墨アミが濃くなりすぎたり、白抜きが潰れてしまう・・そういった事はありませんか?
しかし製版時に「リッチブラック」という手法を用いることで、インキをそこまで出さなくても墨ベタを濃く、アミや白抜き部分も綺麗に印刷する事が可能です。
今回はその「リッチブラック」についてご紹介したいと思います。

リッチブラックとは?

リッチブラックとは、墨インキ(K)にシアン、マゼンタ、イエローのインキを加えて深みのある黒を表現する手法です。

インキの組み合わせによって赤っぽい黒や、青っぽい黒を表現可能ですが
当社では黒を濃く出したいという理由でリッチブラックを設定することが多いです。

【注意点】

C100%/M100%/Y100%/K100%に設定するとインキが乾かないことで裏移り等トラブルが発生することがあります。(上質紙やマット系の紙は特に裏移りしやすいです)

基本的にはCMYKのインキの総量を300%以内にすれば問題ありません。
ちなみに当社ではC30%/M30%/Y30%/K100%(インキ総量190%)でリッチブラックを設定することが多いですが、それで十分に濃い黒が表現可能です。

リッチブラックのトラッピング処理

データ上で墨100%をリッチブラックに変更だけして製版をすればいいというわけではありません。
見当ズレによりCMYがはみ出ないようにトラッピング処理を行う必要があります。

四角の墨ベタに白抜き文字のデザインに対してリッチブラックの設定とトラッピング処理を行ったイメージです。
リッチブラックをK100%よりひとまわり小さく作成します。(実際には0.17mm程度小さくしています。)

白抜き文字や、ある程度面積の大きいデザインであればトラッピング処理は可能ですが、細い凸文字や線には向いていません。
リッチブラックをK100%よりひとまわり小さく作成しようとするとリッチブラックが消えてしまいます。

そのためデザインに応じての使い分けが重要となります!

まとめ

今回はシール印刷の「リッチブラック」についてを書かせていただきました。
ベタを掠れさせない工夫としては他に、二度刷り、アミのトーンを下げる、ベタとアミを別版にするなんて方法もあります。
二度刷りについてはこちらの記事で

この仕事リッチブラックで製版したら綺麗に印刷できるんじゃないか等ありましたらぜひ当社にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。