製版の色調整方法

カラー印刷でインキの出し量、印圧、添加剤の量等をいくら調整をしても色見本と合わないなんてことはありませんか?
もしかしたら原因は製版にあるかもしれません!
今回はそんな時に役立つ製版の色調整方法を紹介させていただきます。

色見本と色が合わない理由

そもそも色見本と色が合わない一番の理由は出力した条件が違うためです。
色調整された再現性の高いプリンターで実際に印刷する紙に出力されたものであれば、製版時に色調整をせずともある程度色味が合うかもしれません。
しかし色調整されていない家庭用のプリンターでコピー用紙に出力されたものであれば、元のデータからかけ離れた色味となることもあります。
また現物ラベルが色見本である場合は前回の印刷で印圧が強すぎる、またはインキの出し量が多すぎることにより極端に色味が濃いこともあります。

製版の色調整方法

◆カラーチャートを使用する方法

特にアミ点が見えない色見本の時に役に立ちます。(勿論アミ点が見える色見本でも使用可能)
カラーチャートにはCMYKの掛け合わせが10%刻みで一通り載っている為、印刷物と一番近い色のCMYKの配合を製版用データに入力することで色調整が可能です。
ちなみに当社で使用しているDIC セルリング型カラーチャートはAmazonからでも買うことができます。

◆線数とアミ点の大きさを見て調整する方法

印刷物のアミ点の大きさを見て濃度を判別する方法のため、アミ点が見える色見本に限り有効ですがカラーチャートよりも手早くアミの濃度を調べることができ、またカラー印刷だけではなく特色印刷のアミの濃度を調べることもできます。
(写真は当社オリジナル線数別アミ点ゲージ)

使い方はとても簡単です。
 ①対象の印刷物を用意 今回は赤丸箇所の特色青の濃度を調べます。

②スクリーン線数ゲージを使用して、色見本の線数を確認します。
スクリーン線数ゲージの使用方法については過去の記事の「スクリーン線数」と「R」の測り方をご参照ください。

線数は133線ということがわかりました。

③アミ点ゲージの133線の行のスクリーンと印刷物を重ねてルーペで覗き、 どの濃度のアミ点と一番近い大きさか調べます。ちなみにルーペは15倍以上の倍率を推奨します。

アミ点の濃度は約40%と判別できました。
後で製版用のデータを確認して答え合わせをしたところ、ちょうど40%で製版されていました。
※印刷物とアミ点ゲージを同じ大きさで製版するとドットゲイン効果で濃くなるため、各社の特徴に合わせたドットゲインの調整が必要です。
ドットゲイン効果については 過去の記事の凸版印刷と、ドットゲインについてをご参照ください。

まとめ

今回は製版の色調整の2つの方法を書かせていただきました。
色調整する箇所が少なければカラーチャートと色調定規があれば十分対応できます。
また熟練するとアミ点をルーペで見ただけで大体の濃度を判別できるようになります。
ただし画像等調整する箇所が多い場合は、別途色調整の経験とスキルが必要となるため当社にご相談ください。

お客様のより良い印刷ライフの一助になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。